気づけば食卓に——遺伝子組換食品のいま
きっかけ
ふとしたことから遺伝子組換食品のことが気になり、少し調べてみた。正直、「なんとなく遠い話」だと思っていた。ところが調べ始めると、すでにごく身近なところまで来ているということがわかって、少なからず驚いた。
日本で認可されている遺伝子組換作物
現在、日本で食用・飼料用として認可されている遺伝子組換作物は9種類ある。
大豆、ナタネ、トウモロコシ、ジャガイモ、綿、テンサイ、パパイヤ、アルファルファ、カラシナ。
これだけ見ると「食卓には関係ない」と思うかもしれない。しかし、これらは加工食品の原材料として広く使われている。大豆は醤油や豆腐に、ナタネはサラダ油に、トウモロコシはコーンスターチや異性化糖(清涼飲料水などに使われる甘味料)に加工される。
輸入トウモロコシの9割以上が遺伝子組換
特に驚いたのは、日本が輸入するトウモロコシの9割以上がすでに遺伝子組換品だという事実だ。そのうち約72%が家畜の飼料として使われている。
つまり、私たちが普段食べている肉や卵・乳製品をつくる家畜は、遺伝子組換トウモロコシを食べて育っている可能性が高い。しかし、飼料についての表示義務はないため、消費者はそれを知る手段がほとんどない。
表示制度の「抜け穴」
現行の表示制度では、遺伝子組換食品であることを表示する義務があるのは33食品群に限られている。しかも、原材料全体の5%未満であれば表示対象外となる。
また先ほど述べたように、家畜の飼料として使われる場合は、最終的な食肉・卵・乳製品に表示されない。「遺伝子組換でない」と書かれた食品を選んでいても、見えないところで遺伝子組換作物が関わっている可能性は十分ある。
「Non-GM」の種子は残りわずか
さらに気になるのが種子の問題だ。アメリカで流通するトウモロコシの種子のうち、遺伝子組換でないものは**全体の約8%**に過ぎないという。Non-GMの種子を確保すること自体が、年々難しくなっている。
ゲノム編集食品という新たな問題
遺伝子組換とは別に、「ゲノム編集」技術を使った食品もすでに流通している。
現在販売されているのは、GABAを高濃度に含むトマト、美味しい特徴を持たせた魚など。確かにスーパーで見かけたことがある。これらは現行制度上、表示義務なし。
遺伝子組換とは技術が異なるため規制の対象外となっているが、私たちが知らないうちに口にしている可能性がある。
知ることから始める
調べてみて感じたのは、「選びたくても選べない仕組みになっている」ということだ。表示がなければ判断できない。飼料への使用は見えない。ゲノム編集は表示すら義務付けられていない。
食べることは毎日のことだから、関心を持ち続けることが大切だと改めて思った。完全に避けることは難しいとしても、まず「知っている」状態でいることが、選択肢を持つことにつながるのではないだろうか。